男性の肝機能低下

男性の生活パターンが原因で起きる健康トラブルとして，肝機能の低下があります。大きな原因はアルコール飲料ですので，お酒好きの人は要注意です。では，男性に多い肝機能低下について見てみましょう。

飲んだお酒に含まれるアルコールは，胃や腸から吸収され，血液に取り込まれて肝臓に運ばれます。ここで，アルコールを分解する酵素によって水と二酸化炭素にまで分解される，というのが基本的なアルコール代謝の仕組みです。

容易に想像できることですが，肝臓に送られるアルコールの量が多かったりその頻度が高かったりすると，肝臓は負担を受けることになります。過剰なアルコールを分解するための酵素もあって作用していますが，その酵素が頻繁に働かなければいけないことは，肝臓の機能低下につながります。

お酒を多量に飲む生活を続けていると，アルコール性の脂肪肝になることがあります。脂肪肝といえば脂肪の摂り過ぎが原因と考えますが，脂肪の摂取量が適量でも肝臓の働きが弱って脂質の代謝スピードが遅くなると，肝臓に脂肪が蓄積しやすくなります。肝機能低下が引き起こした脂肪肝は，肝硬変に，さらには肝ガンに進行するリスクがあるため，注意が必要です。

実際のところ，飲酒量が同じなら女性の方が肝臓を弱らせやすいですが，男性の方が飲酒量が多い傾向にあるため，健康診断での数値や生活指導を参考に，しっかりコントロールすることが大切です。1回の飲酒量，飲酒の頻度を制限することで，肝臓への負担を軽くするように心掛けましょう。