貧血と女性の病気

貧血になりやすいのは圧倒的に女性ですが，その中でも女性特有の病気の影響で貧血を起こしやすい人も少なくありません。では，女性に見られるどのような病気が貧血の原因と関係しているのか，見てみましょう。

女性は，健康体であっても周期的な月経によって出血しています。血液に必要な鉄は，通常1日に1ミリグラム排出されるのに対して，女性が1回の月経期間に失う鉄の量は，30ミリグラムとされています。ですから，女性はただでも鉄欠乏による貧血を起こしやすいといえるでしょう。

さらに問題となるのが，不正出血といわれる状態です。月経による出血が多かったり，月経期間が長かったり，月経回数が多かったり，といったことで出血量が通常より多くなるようなケースを，不正出血といいます。この出血量の異常が貧血を引き起こすことがあります。

不正出血の原因はさまざまで，ホルモンの変化によって起きる機能性子宮出血というものもあります。検査を行ない，状態の程度や年齢などを考えて治療法が選ばれます。

それ以外の不正出血は，子宮，膣，陰部での炎症や感染，腫瘍などさまざまな原因が考えられます。子宮筋腫や子宮内膜症などは出血の原因となる女性の病気として知られています。

不正出血がきっかけで何らかの病気が見つかることもありますから，異常を感じたなら早めに婦人科で診てもらうのが最善です。貧血を起こしている場合はその治療も受けられますから，自己判断したり躊躇したりせずに診察を受けましょう。