貧血と脳貧血

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貧血と脳貧血

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貧血と混同されやすい状態の一つに,脳貧血があります。脳貧血のような症状がないのに貧血と診断された,と不思議に思う人もいることでしょう。では,貧血と脳貧血はどのように違うのでしょうか?

 

貧血とは,血液が薄く,全身に酸素が十分行き届いていない状態のことをいいます。脳はもちろん,全身が酸素不足になりますから,疲労感や倦怠感を感じたり,ひどくなれば内臓の機能に影響することもあります。

 

それに対して,脳貧血というのは,脳への血液供給が十分ではない,ということですから,血液のヘモグロビン濃度は関係ありません。血液の状態は正常であるのに,脳に血液を送り届けることができない,ということで,これには血圧が関係しています。つまり,脳貧血とは低血圧のことをいいます。正確にいえば,立ちくらみなどが特徴的な症状の,起立性低血圧ということになります。

 

血圧が正常でも血液中のヘモグロビンが少なくなれば貧血になりますし,貧血を起こしていない正常な血液でも血圧が低ければ脳貧血になります。ですから,脳貧血,つまり低血圧と貧血はまったく別のものと考えなければいけません。もちろん,貧血がありながら血圧も低いという人もいることでしょう。

 

どちらも程度によっては生活に支障が出ますから,医師の指導を受けて適切な治療や生活習慣の改善などを行なうことが大切です。すぐに改善できる病気ではありませんが,時間を掛けて取り組めば症状を和らげることは決して難しいことではありません。