インフォームド・コンセントとは

医療において最近重要視されてき出したのが，インフォームド・コンセントです。病院案内を見ると，インフォームド・コンセントを重視している，と記述しているところも増えています。では，インフォームド・コンセントとは何のことなのでしょうか？

インフォームド・コンセント（informed consent）とは，知らせるという意味のinformと，同意するという意味のconsentから来たことばで，患者が医師から診療の内容や目的を十分説明された上で納得をしてから治療を行なうことを意味しています。元々は，医療事故が起きたときに患者がそのリスクを知っていたかどうかが焦点となるためアメリカで確立され，次第に世界に広まるようになりました。

日本では，患者は治療を受ける側で，医師が何を行なおうとそれを受け入れる，という考えが根強くありました。医師への信頼が根底にあるもので，ある意味において日本人の良い面といえますが，医療技術が進歩し，治療方法の選択肢も増えたことで，インフォームド・コンセントが重視されるようになっています。これは，患者の知る権利に対する意識の強まりの影響も受けていて，医師任せにせず自分で健康管理をしたいという人が増えていることも背景にあるでしょう。

さらに一歩進んだのがインフォームド・チョイスで，患者が治療法を選択するというものです。当然，患者が一方的に要求するのではなく，医師と相談の上決定します。

いずれにせよ，患者としては分からないことを聞くと説明してもらえる，というのが現在の医療の流れです。遠慮せずに尋ねるようにしましょう。