冷え性による肩こり

肩こりの人の中には，冷え性の人が多いです。というよりも，肩こりと冷え性はセットともいえるほど，深く関係していることが知られています。では，冷え性はなぜ肩こりを引き起こすのでしょうか？

冷え性になるのには，いくつかの原因があります。まずは，血流の悪さです。循環器系の重篤な病気が関係することもありますが，一般的には低血圧や貧血など，健康的な血液が末端まで十分に行き届かないときに冷えが起こりやすくなります。また，自律神経のバランスが乱れて血流や体温調節が弱くなることも冷えを引き起こします。ストレスを抱えやすい人の冷えはこのタイプです。さらには，長時間冷たい空気に当たり続けることで，体温調節機能が鈍くなる，ということも冷え性の原因です。

いずれにせよ，血液の巡りが悪いと冷え性になるということですが，肩の筋肉を流れる血流が悪くなれば，肩がこってくることになります。また，そのようにして筋肉がこわばると，血液の循環が妨げられますから，冷え性と肩こりが影響し合いながら起きてきます。

また，季節に係わらず冷え性の人は寒いと感じますから，肩に余計な力が入り，それが原因で肩がこる，というのもよくあるケースです。マッサージなどで一時的に肩のこりをほぐしても，冷えを感じる限り，また肩こりが再発してきます。

冷え性といえば女性だけの問題と思われがちですが，冷え症で悩む男性も多く，そのような人が慢性的な肩こりを抱えていることは少なくありません。冷え対策による肩こり対策は，性別を問わず必要なことです。