シックハウス症候群

住まいが健康に与える影響としてよく知られているのが，シックハウス症候群です。最近は一時よりも耳にしなくなったと感じるかも知れませんが，依然として問題は残っているようです。では，シックハウス症候群について見てみましょう。

家を新築したり改築したりした人の中には，新しい資材の真新しい香りがするのだろうと思っていたら接着剤らしきにおいで頭が重くなった経験のある人がいるでしょう。建築には化学物質がある程度使われるのは仕方ないことですし，そのすべてのケースでという訳ではありませんが，揮発性の化学物質が体調不良を起こさせることがあります。しばらく前，頭痛や発熱，だるさ，目まいといった症状の出るシックハウス症候群が社会問題となりました。

それを受けて，2003年に建築基準法が改正され，新築の際には低化学物質の資材を使うことが義務付けられています。それによって健康に配慮した住宅が建てられるようになり，最近は耳にすることも減っているでしょう。

しかし，報告によると，法改正の後もシックハウス症候群患者が増えているとのことです。これはどうしてなのか研究がされているようですが，一つには住宅の気密性向上と家具への規制がないことが考えられるでしょう。例えば，リフォームをして住まいの気密性を高め，それを機に家具も新調した場合，家具に有害物質が使われていれば，体に異常が出る可能性があります。

そうではあっても，設備をすぐに変えられず，不快な症状を辛抱している人も多い，というのが現状のようです。