温度変化による影響

住環境の快適さを大きく作用する要因として，温度変化があります。四季ごとの変化があるとはいえ，それに合わせて快適に暮らせることは大切です。では，温度変化は健康にどのような影響を及ぼすでしょうか？

日本では，春と秋のシーズンは比較的快適に過ごすことができますが，夏の暑さや冬の寒さに苦しめられる地域は多くあります。それほど低緯度でなくても市街地ではヒートアイランド現象によって高温になりますし，寒さの対策ができていない地域では突然の寒波が来たときに大変な思いをします。

特に注意が必要なのは，寒さへの対応です。低温・低湿の環境は，風邪の原因となるウィルスが好む環境で，寒さによる抵抗力の低下が重なると，風邪を引く人が増えてきます。毎日過ごす家の中でも適切に温度コントロールをしなければ，体調を崩しやすくなり，他の家族に感染することも多いでしょう。

寒い時期には，当然ながら室内を暖めて過ごしますが，そこから急に外に出たりトイレに行ったりすると，その温度変化によって血圧が急変動することがあります。普段から血圧に問題のある人は，気を付けていなければいけません。

夏場の暑さも健康に影響します。暑い環境では汗をかきますので，十分に水分補給をしていないと脱水症状になりかねません。室内でも熱中症を発症することは珍しくありませんので，のどの渇きを感じにくい高齢者などは注意が必要です。

暑さ対策としてエアコンを利用しますが，外との温度差がありますので，上手に利用しないと自律神経を乱してしまいます。