記憶と年齢

記憶は，年齢に影響されることが多いです。その年齢によって必要な情報量が違いますし，脳の機能にも変化が出てきて，それが記憶力を左右していきます。では，記憶が年齢とどのように関係しているのか，見てみましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは，記憶しなければいけないことがたくさんあります。これから一緒に過ごしていくことになる人のことを覚えますし，コミュニケーションに大切な言葉も覚えます。安全に成長するために，身の回りにある危険なものについても理解して脳裏に止めながら大きくなっていきます。

もう少し成長すると，簡単に説明できないような概念を覚える必要があります。時間や数字，長さや重さ，感情やそれへの対応の仕方などです。教わりながら身に付けることもあれば，経験を通して学んでいくこともあるでしょう。これらを記憶していくには，学校での教育や集団生活が大切な役割をします。

学校の勉強で記憶することの中には，さして重要と思えないものもあるかも知れません。社会人の中で微分や積分を生かして仕事をしている人はほんのわずかです。しかし，難しいことを学習して記憶することは，脳の発達に役立つだけでなく，その後の人生で困難なことにもチャレンジする気持ちを育むことにもなるでしょう。

成人してしばらくすると，次第に記憶力に変化が起きてきます。今まで簡単に覚えられていたものが覚えられなくなる，記憶力の低下です。年齢を重ねるにつれてそれは顕著になっていきます。しかし，自分が経験したことや努力して習得したことは，比較的長く記憶に止められます。