人間の記憶力

記憶について考えていると，人間はいったいどれくらいの情報を記憶できるのだろうか，という疑問がわいてくるでしょう。では，人間の記憶力はどれほどなのか，見てみましょう。

人間の脳については，まだまだ未解明な部分が多いです。記憶できる量についてもそうですが，研究する人によって見方が違うのが実際のところです。よく挙げられるのは，10TBという容量です。コンピュータの記憶容量から考えると，かなりの記憶領域があることがうかがえます。長期記憶は失われない限り生涯保たれますから，長い人生を使っても大丈夫なほどの記憶力があっても当然のことです。

ただ，コンピュータを扱う人からすると，10TBという容量はもう手が届くところにあるかも知れません。今の時点では，数TBの容量を持ったパソコンも珍しくありません。となると，人間の記憶力は大したことはないということなのでしょうか？

パソコンを使っていると分かりますが，主な記憶装置であるハードディスクは何年か使えば壊れます。また，記録したデータは大事なものでなくても保持していて，整理しなければいけません。それに対して，人の脳は交換する必要がなく生涯使え，不要な情報は忘れていきます。ハードディスクのように，音や熱を出す訳でもありません。

人間の記憶力からすると，このような文章を一字一句間違わずに覚えることは普通できませんが，同時に持っている処理能力や耐久性などを考えると，どのようなハイスペックなコンピュータにもかなわないでしょう。