飲み物と水

コーヒーやお茶などの飲み物を，食事のときの口ゆすぎ程度に考えている人もいれば，自分好みのものにこだわっている人もいます。できればおいしいコーヒーやお茶を飲みたいものですが，それにはどのような水を使うかが影響します。では，水はコーヒーやお茶の味をどのように左右するのでしょうか？

水には，軟水と硬水があります。軟水はミネラル分が少なく，味がまろやかです。それに対して硬水は，マグネシウム特有の苦味があって，おいしくないと感じる人もいます。

コーヒーには，軟水と硬水のどちらが良いのでしょうか？コーヒーの種類にもよりますが，軟水を使うとコーヒーの成分がそのまま抽出されて香りも良くなるようです。硬水の場合は，酸味が抑えられる代わりに，苦味の強いコーヒーになります。酸味が好み，またコーヒーの味を楽しみたいときは軟水で，強い苦味で目を覚ましたいなら硬水で，と使い分けられるでしょう。

お茶の場合は，産地である日本に多い軟水を使うのが良いでしょう。硬水を使うと，お茶の味を決める成分であるカテキンなどと水のミネラルとが反応して，お茶の味を損ないます。軟水ならばそのようなことがなく，お茶本来の味と香り，色を楽しむことができます。

お茶の味は湯温にも大きく左右されます。お茶の旨み成分であるテアニンは低温で抽出されますが，苦味成分であるカテキンは高温で抽出されます。沸騰したお湯で入れると，カテキンの強いお茶になりますが，お湯を一度冷ましてじっくり入れると，お茶の甘味を引き出せます。

コーヒーもお茶も，水道水をそのまま使うと雑味が出るようです。