水の種類

一言に水といっても，いろいろな種類があります。どれも化学式ではH2Oですが，存在する場所や含まれているものなどの違いがあり，それぞれ用途も異なっています。では，水にはどのような種類があるでしょうか？

地球上に存在する水の大部分は，海水です。3パーセント程度の塩分と微量ミネラルが溶解した状態にあって，地球上の水分の97パーセントを占めています。食塩を取るくらいで，ほとんど食用や飲用には使われませんが，最近は深層水をくみ上げて塩分を除去した海洋深層水が販売されるなど，注目されています。

生活で多く利用されている水が，河川を流れる河川水です。多くの地域で河川の近くに浄水場があり，飲料水や工業用水に利用できる状態に処理されています。わずかな淡水の大部分が氷河として存在しているため，人が飲用できる水は非常に少ないといえます。

利用されている淡水としては，農業用水もあります。ダムなどの貯水設備や川などから水路を引き，田畑に水が送られるようになっています。特別な処理はされていないため，水路を流れる水にはいろいろな生き物が生息していることが少なくありません。市街地化によって水路が地下に作られることもありますが，水のある景色の良さが見直されて，公園や道路の脇を流れるように整備されるところも増えてきています。

いろいろな水がある中で純度が高いものとされているのが，純水です。一般的な水に含まれている塩類やガスなどを取り除いたもので，その方法によって脱イオン水や蒸留水などの種類があります。コンタクトレンズの洗浄などに使う精製水も純水の一つです。