貧血の治療法

食事やセルフケアだけで貧血が解消されない場合，病院で治療を受けなければいけません。たかが貧血と考えず，おかしいと感じたなら早めに治療を行なうことが大切です。では，病院では貧血治療にどのようなことが行なわれるのでしょうか？

別項で取り上げたように，貧血が疑われる状態なら，まずその原因を突き止める検査を行ないます。栄養不足から来ているのか，どこかから出血しているのか，また何かの病気が影響していないか，ということを確かめるために検査が必要です。

急性の出血性貧血は，救急処置を行なって止血するなどして治療するでしょう。しかし，そのような大量出血を引き起こすような事態が日常的に起こることはありませんから，軽度の病気による慢性的な出血に注意しなければいけません。痔や女性に見られる不正出血などはその例です。また，消化器系にトラブルがあれば便に血が混じることもあります。

このように病気が関係して出血が起きている場合は，その治療を進めながら貧血の改善も行なわれることでしょう。貧血を改善するためには，これまで取り上げたような食事の方法で造血するように指導されるでしょうし，食事での改善だけでは不十分のようなら，鉄剤の服用が勧められます。その上で定期的に検査を行なって，どれほど改善されているかを確かめます。

体内には鉄を貯蔵しておくことも必要ですから，自覚症状が和らいだからといって薬の服用を止めてはいけません。通常は，赤血球数が正常になっても半年ほどは鉄剤の服用を続けることになります。