魚で生活習慣病予防

多くの人の命を奪っている生活習慣病ですが，肉から魚を中心とした食事に切り替えることで予防することができます。特に，血中の脂質異常には魚食が役立ちます。では，魚が生活習慣病予防に役立つ理由について見てみましょう。

血液中に存在する脂質が異常を示している状態を脂質異常とか高脂血症などと呼ばれます。血液中の脂質には，中性脂肪やコレステロールなどがありますが，中性脂肪はエネルギー源として，コレステロールは細胞膜やホルモン物質などの材料として利用されています。つまり，食事から脂質を摂取して中性脂肪やコレステロールを取り入れることは必要なことですが，それが過剰に，また質の悪いものになると問題となります。

血中に質の悪い脂質が増えると，それが血管壁の内部に付着します。それが血管を狭くして動脈硬化を起こしたり，詰まらせて脳梗塞や心筋梗塞などを起こします。このような命に関わるような生活習慣病を予防するのに，魚を食べることが役立つという訳です。

なぜかというと，魚に含まれる脂肪酸であるDHAやEPAには，血液をサラサラに保つ作用があるからです。脂肪酸でありながら，体内に蓄積した脂肪の燃焼を助けるという興味深い働きもします。

ですから，脂の乗った魚は積極的に食べたいものです。無理に脂を落とす必要はありません。DHAやEPAは青魚に多いとされますが，どの魚にも含まれています。煮魚にしたときは，煮汁も飲むことで魚の脂肪酸を摂ることができます。